日米の次
TOMODACHI Critical Conversations 第1回:What is BLM?
とっても大事な議論がなされていて、想いを書きとめようと思ったのですが
(心が) 落ち着いて静かになりようやく書けそうなので残しておきます。
あんまり日本では伝えられていないので、まず基本的な情報の整理をします。
BLMとは?
BLMとは、Black Lives Matterの略で、日本語にするのが難しいのですが、
「黒人の命を粗末にするな」と京都大の竹沢泰子教授(文化人類学)が翻訳しています。
このスローガンは2013年、米フロリダ州で黒人高校生を射殺した自警団員が無罪となった事件を機に生まれました。徐々に広まり、黒人以外のさまざまな人も叫ぶようになりました。
2020年5月25日、白人警察に黒人男性が殺される事件が発生
そして今年5月、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺された事件が起きました。
【閲覧ご注意ください】彼が苦しんでいる様子の動画が出回っています。私は苦しくて途中で見るのをやめてしまいましたが、事実がここに残っています。
https://twitter.com/brutjapan/status/1266112010384822272
6月のとある火曜日、全米が「黒」になった
この事件を受け、全米の音楽業界で「Blackout Tuesday」のストライキが発信された。
事件発生後、SNSではミュージシャンや音楽業界関係者を中心に、「#TheShowMustBePaused(ショーは中断しなければならない)」というハッシュタグが誕生。「仕事から離れ、ブラック・コミュニティと再び繋がる」との思いが込められており、音楽業界幹部らが発起人となり、6月2日に大規模なストライキ「Black Out Tuesday」を実施する動きが広がった。(Huffpost記事より)
21世紀最大のデモが世界中で行われるように
世界中で、累計1500万人から2600万人が参加したと想定されているデモ活動に発展しました。
コロナウイルスの影響がなければもっと多くの人が参加していたかもしれません。
この影響で、夜10時以降は外出禁止などの期間もあったと、アメリカ人の友人から聞きました。東京や大阪でも行われています。
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/ニュース/東京初の-black-lives-matter-公式デモに3500人以上が参加-061920
シアトルで経験した「Japanese American」コミュニティとの出会い
人種差別と聞くと何を思い出すか。
人それぞれ違うと思いますが、私にとっては「日系アメリカ人」の歴史について。
20歳の時シアトルで勉強させてもらっていた私。その時にプロジェクトでお世話になったのが、
シアトルのNPO法人Densho。
Denshoの代表 Tom Ikeda氏と当時大学生の三塩。US Councilの集会で。
文字通り伝承(でんしょう)というところからその名がつけられていますが、
日系アメリカ人の歴史を現代にも伝えていくという目的で活動をしている非営利組織です。
当時、現地の北米報知「The North Amarican」という新聞にも活動を取り上げていただきました。
わたしたちはチームで「ジャパニーズアメリカンの歴史をどう日本の若者に伝えるか」
というお題に取り組みました。
大好きなメンターHarold Taniguchi氏。彼のチャーミングさったら、他にあったことない。
この3人の日系アメリカ人のみなさんと日系という歴史との出会いは私にとって衝撃的で。
人生で初めて人種や差別について、深く考えた機会になりました。
今社会で起きていることに向き合って対話をしよう
さて、話を戻しますが。
TOMODACHI主催の企画、日本人とアメリカ人の代表20人が集められ、数人のプレゼンテーションを聞きながら議論を深めました。
プレゼンテーションをしたのは東京のBLM代表のJuniper Alexander氏。USミリタリーの元軍人でトランスジェンダーを告白しており、現在は日本の大学で学んでいるのだとか。活動の経緯や、実際にデモを行って思うことを共有してくださいました。
議論の中での「教育」に対する日米の違い
いくつかのグループに分かれ、私はバイリンガルの日米の参加者が混ざった形で対話をしました。そこで挙げられたのは、教育の話。
「日本では人種差別のことをほとんど習う機会もないし、知ることも少ない。アメリカではどうだい?」
「アメリカではそもそもいろんな人種の学生がいるし、先生もいろんなバックグラウンドがある人たちなので、日々人種の違いには向き合っている気がするよ。それでも、授業の中で歴史を知る機会があったり、それに対して意見交換が行われたりする」
あぁ、こういう場でも教育の話が出るんだなぁと、とても腑に落ちました。
私たちに、なにができるのか
新型コロナウイルスの影響で変わったことはたくさんあります。
アクティビストの私たちにとっては、「集団で動く」環境に大きく制限ができました。
しかし、今回オンラインで世界中の人たちと出会い、共通のトピックで対話を行う中で、
制限があるからこそ生まれる活動や出会いがあることを確信しました。
この社会情勢だからこそできることを、形にしていきたいと強く思った次第です。
Juniper Alexander氏おすすめの本
「(人種差別・BLMに関して理解するために)おすすめの本はありますか?」との質問があり、
登壇したJuniper Alecander氏がおすすめしてくださった本があるので備忘録として書いておきます。
さすが、勉強していらっしゃるのだなぁ。
American Apartheid (Douglas S. Massey & Nancy A. Denton)
At the Hands of Persons Unknown: The Lynching of Black America (Philip Dray)
Policing Black Bodies: How Black Lives are Surveilled and How to Work for Change (Angela J.
Hattery and Earl Smith)
Race for Profit: How Banks and the Real Estate industry Undermined Black Homeownership
(Keeanga-Yamahtta Taylor)
Racism Without Racist: Color-Blind Racism and the Persistence of Racial Inequality in America
(Eduardo Bonilla-Silva)
Stamped from the Beginning: The Definitive History of Racist Ideas in America (Ibram X. Kendi)
The Autobiography of Martin Luther King (Clayborne Carson)
The Color of Law: A Forgotten History of How Our Government Segregated America (Richard
Rothstein)
The Cross and the Lynching Tree (James H. Cone)
The New Jim Crow: Mass Incarceration in the Age of Colorblindness (Michelle Alexander)
When They Call You Terrorist: A Black Lives Matter Memoir (Patrisse Khan-Cullors & Asha
Bandele)
White Fragility: Why It's So Hard for White People to Talk About Racism (Dr. Robin DiAngelo)
話し合いに参加したい方へ
今回は第一回として議論の場が設けられました、第三回まで続くとのことで、
もし興味ある方はTOMODACHIのwebsiteに情報アップされていくとのことで、ご確認くださいませ。
http://usjapantomodachi.org/ja/
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